ZEHに最適?エネファーム研修会

公開日:2018/06/21(木) 更新日:2023/10/23(月) 家づくりのこと技術部

こんにちは、技術部の山本です。今回はいつにも増して長文、文字のみですので、関心のある方のみお読み下さいm(__)m
本日のテーマは先日参加したエネファーム研修会を基にした【エネファーム】の話です。

皆さん、エネファームってご存知ですか?一般的にはそれ程メジャーではないかと・・・(^^;
エネファーム=家庭用燃料電池コージェネレーションシステムと言って、都市ガスに含まれる水素取り出し、酸素と反応させて発電をし、同時に発生する熱でお湯を沸かす機器、一般的にはお湯を沸かす給湯器として住宅に設置するものです。

今までお湯を沸かすのにガスを燃焼させてお湯を沸かしましたが、エネファームではガスの使い方がそもそも違い、まず発電、その際に出る熱で湯沸かしとなります。

発電と言えば、太陽光発電が発電する機器としては現在最も普及していますし、ガスで発電(ガソリン発電機と基本的に同じ構造)するエコウィルなどがあります。

その中でエネファームはCO2排出量が少なかったり、発電効率がいい為今後普及が見込まれる商材ですが、現時点では非常に高額なんです(笑)。

以前にも設置した事があったので、しくみは理解していましたが、最新のものがどれだけ効率がよくなって、お値打ちになったんだろう?って事でセミナー参加した訳ですが・・・

まず前提として、太陽住宅は給湯器も調理機器も電気でもガスでも扱います。どちらかに肩入れする事はありません(笑)という事で、純粋に今後お客様に提案できる商材かというと・・・現時点では?ではないかと思います。

なぜ?かといいますと

①導入費用が下がった(補助金もあり)と言っても他の給湯機器に比べるとまだまだ高額

②肝心の燃料電池発電ユニットの発電年数が現在も10年強である上、機器の更新費用が試算できない(現在の価格では高額すぎて、更新した方がいいとの事ですし、10年後の未来予想は誰にも出来ない為)

③排熱利用で給湯するにしても、お湯を貯めるタンク容量が28リットル(約70℃)の為、お風呂のお湯張りには大部分を一般的なガスボイラーで沸かす事になる

ちなみに②と③は、私がセミナーで質問をして説明がありました。当初のセミナ―プログラムではアナウンスされない情報だったことになりますが、私達はお客様にこれらを知らず提案することは出来ません!

正直CO2問題や、今後の電気代の動向のリスクを考えると非常に魅力的な商材ですが、給湯器として考えた場合、導入費用が100万を超え、肝心の発電は10年間、しかも湯沸かしはガスボイラーに依存する。となると、いくら天候に左右されず効率的に発電するといっても、どうでしょう?私はお客様に積極的におすすめは出来ません。【給湯器】で考えるならもっと効率的な機器がありますし、発電は太陽光の方が発電容量は大きくなります。前回のブログで書いた様に、蓄電技術と価格が下がれば天候に左右されるリスクも軽減します。

現時点でエネファームをお勧めする場合、CO2削減の為にある程度の投資をしてもいいよ!って方向けのように思っています。

しかし、現在でも積極的にエネファームを進める住宅会社があると聞きますし、実際付けられた方は、納得して採用されたのかな?とふと疑問がよぎります。

この先、ある意味国策商材としてエネファーム普及を目指すようですが、世の中で生き残る商品、支持される商品は、国主導、メーカー主導ではなく、やはりユーザーが決めるのではないでしょうか?

という訳で、すいません、多少エネファームに批判的内容となってしまいましたが、やはり私たちは皆様に提案する責任がある以上、出来る限り、メリット・デメリットは説明する義務があると思っていますので、今後もアンテナを張っていきたいと思います。

 


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